生徒さんへの指導方針
論理に基づいたものでありながら実存的な指導を
学ぶということは本来、知を楽しむことだと思います。しかし学校で、小学校、中学校、高校で学ぶことは楽しむべきことではありますが、社会で生きていく力を身につけることでもあります。そして相手があることでもあります。つまり競争だということです。そのような環境の中で学習し学力を身につけることはどのようにして可能になるのでしょう。
好きなことに熱中してもらいたい、勉強する楽しさを知ってほしい、そういった意見をよく聞きます。それは良いことだと思います。しかしそれは必ずしも全面的に良いことではなくて、その考え方には、好きなことしかできない、嫌いなことはできない、それが進むと自分の意に沿わないことはしない、というような考えを持つ危険性を孕んでいると思います。
ある生徒さんの保護者様に話を聞いたときに、好きなことを探して転職を続けているお兄さんがいるという話をがありました。もちろん僕の憶測でしかないのですが、そのお兄さんはその保護者様の教育方針がまさに好きなことを見つけて好きなことをやってほしいというものでしたので、まさにそれを体現したお兄さんだったのだろうと推測していました。
勉強をするときに成績の伸びる生徒さんの傾向として次のような考えを持っている人が多くみられるように思います。勉強を好きとか嫌いとか考えない。当たり前のように目の前にあるものだと思っている。意識的にしろ、無意識的にしろ、超えなければならない壁だと認識している。そのためには、例えば志望校に合格するためには、将来目指す職業に就くためには何をすればいいか、そのためには何を諦め、何をやればいいかをわかっている、もしくはどうすればいいかを聞いてくる。
勉強をするためには、好きだとか嫌いだとかに関わることとは別に、論理的に今、自分が何をするのがベストなのかということを考える力があり、かつそれを実践することができる、そういう力が求められています。次点で、それはわかっているが自分にはその胆力はないので先生お願いします、という生徒さんが挙げられます。このような考え方が最終的に身につかないと成績を上げることや社会に出て社会人としてやっていくこと、家族をつくり家族のために生きること、端的に言うと、自分のことより他のことを優先することはできないのではないかと思います。
学校や塾では点数や順位で競争を強いられます。それはとても辛いことです。でも大人で立派にしっかりと生きている人はみんな現在進行形としてそれは経験していることです。子どもはなぜ勉強をしなければならないかと言えば、おそらく子ども時代に頑張ることのできる選択肢が勉強とスポーツしかほぼないからだと思います。その中で勉強はスポーツより努力しても成果が目に見えにくい競技だと思います。ですが勉強もスポーツと同じく論理的に自分を磨いていくことで力を身につけていくものです。その成果は必ず社会で身を結びます。もしも社会で役に立つものではないと思われる方がいるのならば、それはきっとスポーツでいうならばお金を稼ぐだけの力を身につけられなかったスポーツマンと同じだということだと思います。勉強も力を身につけて一定の技術を習得したならば社会できっと役に立つものになると思います。
弊塾では現下のような生徒さんの状況の中で、各生徒さんに勉強を通して技術を身につけることを教えたいと思っています。何かをしてその技術を身につけたとき考え方は変わります。野球に喩えると、バッティングで自分が内角の球なら確実にヒットにすることができるという技術を身につけたとします。ならばバッターボックスに立ったときに内角なら必ず打てる、内角を狙おうと思うはずです。当然そこからその打席に相手のピッチャーが何球内角に投げてくるかを考えます。そして投げてくるのは何球目でどんなカウントが多いだろう、ランナーがいるとき、いないときではどう違うだろうと考えます。
まず自分に技術がないと何も生まれて来ません。勉強もそうです。ある技術を身につけたから次は何ができるだろうかとか逆に何が苦手だということがわかってきます。そういうものを身につけさせるのが弊塾の方針で良い点を取らせるという漠然としたものではありません。
そういった勉強というほぼ二者択一の中から選んだ道の技術を頑張って生徒さんには身につけてもらいます。そのために弊塾でできることは生徒さんが技術を身につけるためのサポートをすることです。その内容は論理的な学習指導を通してのサポートになります。生徒さんは目的地に到達するために一生懸命歩いて行きますが、その都度その都度休憩が必要になります。人は人生の途中でふと立ち止まったときに今生きている世界が違う形で見えてきます。自分はこんな素晴らしい世界に生きていたのか、こんな素晴らしい人と触れ合っていたのかと気づきます。それと同じことが生徒さんも勉強という道を一生懸命歩いていたときに起こると思います。そのような道を歩いている生徒さんに寄り添い同じ道を一緒に歩いていくことを弊塾はサポートと呼びます。そのときそのときに生徒さんにしっかりと声掛けができるように、道に迷ったときにどっちの道に行ったらいいのかなと一緒に考え歩いてみること、それがサポートです。
学校、塾で周りのペースが合わずなかなか思うように行かない、そんな生徒さんに学習計画をたて、目標達成のために技術を身につけてもらいます。学校ではペースが遅すぎる、またはついていけない、そんな生徒さんがいると思います。一般に学校はある特定の生徒をモデルとして一般化し、そのモデル生徒に適合するように学習計画を進めていくものになっていると思います。モデルでない自分がそこに合わないのは考えてみれば当然なのです。それに合わせていくことが社会に適合するということではありますが、弊塾はそれに合わない生徒さんにはその生徒さんにできるだけ合ったやり方で技術を身につけ違った仕方で勝負してもらえるようにサポートしていきます。生徒さんに力を身につけてもらう、その過程で社会との関わり、人や物との関わりを考え、他者を考える視点を身につけその中で自分がどう生きるのかを考えるような生徒になってほしいと弊塾は考えています。
社会が定めた子ども時代のルールは意外にシンプルです。それを豊かなもの、多様なものにするのは自分との関わりと人との関わりです。弊塾の考えに同意してくださる、または少しでも興味を抱かれた生徒さん、保護者様のコンタクトをお待ちしております。
